
欄外の戦いとは、おしゃべりタイム欄でメンフィスファンとイズミル王子ファン(以下、王子ファン)が衝突した戦いである。その名の通り、作中ではなく欄外でひっそりと行われていた為、気が付かない読者も多い。
もともとは、単行本44巻のおしゃべりタイム欄でとある王子ファンが、イズミル王子がアマゾネスの囚われ者になったことに激高し、その怒りの矛先がライバルであるメンフィスに向けられた事からだった。
このファンは全国の王子ファンを扇動し、メンフィスを亡き者とする事を企てた。なお、怒りの矛先がメンフィスに向かうまでは当然の如く作者に向けられており、イズミル王子の身に何かあれば「忠臣蔵」のように47人で作者宅に打ち入る可能性を示唆していた。
続いて、単行本45巻のおしゃべりタイム欄で、東京都足立区出身のメンフィスファンがイズミル王子に対し暴言を吐く。メンフィスに「死んでしまえ」と辛辣な言葉を投げかけ、その怒りは長年キャロルを騙しつづけているイズミル王子の部下・ルカにも飛び火した。だが、当該ファンは「キャロルが大切ならキャロルの幸せを考えてそっとしておけ!!」と主張しており、まだ理性が見受けられた。
更に畳みかけるかの如く、単行本47巻のおしゃべりタイム欄にて、新潟県白根町出身のメンフィスファンが暴走する。「イズミル王子との子供なんて考えただけでもおぞましい」「ハゲタカのウ○コにでもなってれば―?」等の暴言、王子ファンにとっては正視に堪えない内容であった。また、当該ファンは、全国のメンフィスファンを扇動しイズミル王子を亡き者とする事を企てた。
暴動は留まるところを知らず、単行本48巻では埼玉県川口市出身の中学一年生のメンフィスファンが「イズミル王子なんて人妻泥棒で気持ち悪い」と発言し、「王子死んでしまえ運動」は徐々に拡大されていく。
しかしその「王子死んでしまえ運動」にも反論する者が現れた。単行本48巻にて、和歌山県和歌山市出身の高校一年生の王子ファンが比較的良識のある内容のファンレターを投稿していたが、最後の一文に「メンフィスくたばれ―」と、今までの文体からはまるで別人のような暴言を残した。
これを口火に、王子ファンの反撃が相次ぐ。単行本49巻のおしゃべりタイム欄で、神奈川県出身の高校3年の王子ファンが王家との出会い、そして王子への愛を礼儀正しく語っていた。だが、王子への愛を語り終えた途端、文章がメンフィスへの罵詈雑言へと豹変した。その内容は「消えろ」「ゴジラみたい」「顔を見ていると気分が悪い」等、メンフィスファンにとっては正視に堪えない内容であった。また、人気投票に関しても言及しており、何故メンフィスが一位なのかが理解できないともしたためていた。
この、最初は礼儀正しく文章を綴っておきながら、後半になると突如人が変わったかのようにメンフィスを攻撃する手法は、過激な王子ファンによく見られる特徴である。
同巻内では更に王子ファンに追い風が吹く。高校1年生の王子ファンは「鉄砲で攻撃されても死なないし、逃げるのが巧いし、怪我をしていても動き回れ、アトラスに一撃を与えた」として王子を賛美し、一方でメンフィスを「鎧をつけていたにもかかわらず、アトラスに一撃を喰らい寝込んだ」として、王子が体力・武力と共にメンフィスより勝っていることを主張した。
なお、この投稿が掲載された欄の右下では、作者らは「♥我関せずでありま~す♥」といった態度で焼き芋を嗜んでいた模様。
両者の争いが激化しつつあるのを、戦に参加していない読者も気付きつつあり、単行本49巻にて東京都豊島区出身のファンが「王子ファンとメンフィスファンのバトルは終わりそうにない」と嘆いていた。
このように、あまりに両ファンの醜い争いが続くことに耐えられなくなったいちファンが、ついに仲裁者として立ち上がる。単行本49巻にて、鹿児島県鹿屋市の女子高生のファンが単行本47巻の有様について言及し(おそらく、「ハゲタカのウンコ」発言の新潟県白根町出身の某メンフィスファンの暴言に憤慨したものと思われる)、不毛な言い争いは止めるよう両ファンに呼びかけ、「主人公だけでなく脇役達も大事にせよ」との博愛主義を掲げた。彼女はこの文章を作者らにおしゃべりタイム欄に掲載することを嘆願しており、その望みは叶えられた。
なお、この投稿が影響したかは定かではないが、その後のおしゃべりタイム欄でジミー、ネバメン、ぺルト、ネセム神官ら脇役に対するファンレターが掲載された。
この投稿に感銘を受けたファンも現れるようになった。単行本51巻で、千葉県八千代市の主婦のファンが「両者のファンの言い争いが白熱するのは両者に十分な魅力がある故。しかしながら、メンフィスもイズミル王子も王家が誇る素晴らしいキャラであり、どちらかが欠けても物語は成り立たない。両者のファンは、一歩退いて広い目で見ては如何なものか」と年長者の風格ある落ち着いた意見を述べた。
ちなみに、このファンは元来イズミル王子の事を「しつこい奴」と思っていたが、キャロルをオロンテスの森へと逃がす場面に感銘を受け、「イズミル王子の事をストーカーと言う人も居るが、ストーカーは絶対このような事はしないだろう」と感じ、彼の虜になったという経歴を持つ。だが、彼女があの悪名高き妖かし婚をどう捉えていたのかは、残念な事に語られていない。
仲裁者の登場により、両者のファンの言い争いはその後ほぼ鎮静化する。
ただ一件、単行本53巻にて東京都東大和市出身の中学生のメンフィスファンが今更、前述の「メンフィスくたばれ―」(「王子ファンらの反撃」参照)に激高した。更には自身が小学生の時に友人に王家を見せたところ、友人がイズミル王子を指して「このオヤジだれ?」と言った、と王子ファンらを挑発するような発言をし、またしても両者ファンの争いが勃発するのではと危惧されたが、幸いな事にこの発言に反応する王子ファンも現れず、おしゃべりタイム欄は現在に到るまで平和を保っている。
今までの一連の流れより、過激で攻撃的な発言を繰り広げてきた両者のファンらには中高生が多かったという特徴がある。これは、彼女らが思春期を迎えており、自分の感情をコントロールするのが難しい故であるためと推測されている。
しかしながら、この争いの要因は、メンフィス、王子の両者どちらつかずの曖昧なストーリーラインや、作者によるファンレターの選別方法にもあるのではという意見もある。
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