♡ムーラとモリオネーの戦い♡

♡概要♡

ムーラとモリオネーの戦いは、イズミル王子の乳母ムーラとギリシャ・アテネの貴族の娘モリオネーとの戦いである。作中で五指に入る程の名勝負として語り継がれている。

♡発端♡

ミノアに客と招かれたイズミル王子は、アトラスに拉致監禁されたキャロルを救助後、彼女を拉致しようとした。その時、イズミル王子一味がミノアを脱出する際に手を貸した奴隷娘がモリオネーである。モリオネーはもともとギリシャ・アテネの貴族の娘であったが、何者かに騙されてミノアの奴隷へと身を堕としたようだ。なお、その経緯は定かではない。

モリオネーはイズミル王子に恋心を抱き、一緒に脱出した仲間の忠告も聞かず、ヒッタイトまで王子一行に随行する。イズミル王子の乳母・キャロルびいきのムーラが王子一行を出迎えする際、当然のような顔をして入っていくモリオネーを「お待ちなさい何者です」と止め、「この船には異国の女は乗せませぬ あの島からしのび込んだのですか!」と一喝したことが合戦の口火を切ったとされている。

キャロルのほうがよっぽど「異国の女」なのだが、その矛盾点にモリオネーが激昂したのではという説もある。

♡一時休戦♡

自分に無礼な態度をとったムーラにモリオネーは「わたくしは王子さまにヒッタイトの国へ招かれたものです」と反論するものの、「いつわりを申されるな!船にしのび込むとは怪しい女」と彼女に一蹴されてしまう。あわやここで血みどろの合戦が起こるのかと思いきや、ハザズ将軍のとりなしでその場は収まる。

後日談によれば、イズミル王子は特別にモリオネーを招いたという意識は無く、彼女がついてきた事すらあまり覚えていなかったらしい。

♡冷戦状態♡

ヒッタイトの宴の席にさも当然のように出席するモリオネーは、ムーラが王子の好物だという果物を持ってきたのを見て「まあ 王子様さまのお好きな果物!わたくしも」とねだるが、モリオネーは彼女を露骨に無視してキャロルに勧める。モリオネーは、この時のムーラの軽蔑しきった目が今も忘れられないと口惜しそうに語ったという。

その後、ヒッタイト一向の乗っている船が嵐で揺れ、「王子さまーっ お助け下さいませ 胸が苦しくて~~~」と王子にしなだれかかるモリオネーを「船の揺れにかこつけて 何かといえば王子にしなだれかかり…… なんとはしたない女でしょう」と軽蔑の眼差しを向けるムーラの姿が目撃されている。

♡ムーラブロックの構築♡

船での騒ぎにかこつけ、イズミル王子の部屋にどさくさに入ろうとしたモリオネーをムーラが阻止しようと、いわゆる「ムーラブロック」が構築された。「あの女を王子のおへやに入れてはなりません」と侍女にお触れを出し、自分が対応できないときは侍女達にブロックを構築させ、モリオネーとイズミル王子との接触を完全に断とうとした。

♡「無礼な女」騒動♡

キャロルに嫉妬し、彼女に乱暴を働いている所を目撃されたモリオネーは、ムーラに「モリオネーさま 姫君になんというご無礼をするのです おさがりなさい! みなのもの この無礼な女を自分の船室へもどせ!」と、同じ台詞内で同一人物の敬称と蔑称を使用するという類を見ない妙技を披露している。

一説には、最初はモリオネーにも理解できる言語で話しかけ、後半の「みなのもの~」からはヒッタイト特有の言葉で(モリオネーには分からない言語で)、侍女に命令したのではという説もある。

♡火事騒動♡

ヒッタイト一行の乗る船が火災に見舞われたとき、ムーラは火に怯え逃げ惑うモリオネーに「モリオネー 何をしているのです 火を消さぬか!」と彼女を怒鳴った。モリオネーは客人扱いされず消防士扱いされた事に、ひどくプライドを傷つけられたという。

なお、モリオネーは消火活動を行わず、火事への対応はムーラが結局担当した。

♡その後の動き♡

ヒッタイト王に謁見したモリオネーは、彼に息子の許嫁と勘違いされてしまう。彼女は王に厚遇され、舞い上がり驕慢に振る舞うが、イズミル王子がそのことを否定しキャロルを娶ることを改めて発表すると、怒ったヒッタイト王によって牢に幽閉され、鞭打たれてしまう。この時のヒッタイト王の激昂具合が凄まじかった事から、イズミル王子にしてやられた事に対する憤りをモリオネーに転嫁したのでは、と推測されている。

しかしながら、ヒッタイトの牢の老朽化のせいか定かではないが、モリオネーは脱牢に成功し、それまでかの鬱憤を晴らすかのごとく侍女を血祭りにあげていく。殺された侍女の最期の言葉は「奴隷の身でありながら貴族の姫といつわりヒッタイト王にとり入った奴隷女モリオネー!」だったという。

アマゾネスの女王による介入により、キャロルの暗殺には失敗したモリオネーだが、その足でイズミル王子殺害未遂を起こし逃亡した。

♡総評♡

表面上はムーラが優勢な戦いではあったが、合戦後の後味の悪さの為、はっきりとした勝敗は語られていない。立場的にアウェーかつ一人で勇敢に戦ったモリオネーの方を称賛する声もある。

イズミル王子がモリオネーのヒッタイト同行をはっきりと断っておけばこのような戦いは避けられていたことから、彼の優柔不断さを嘆く声も多い。

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